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Introduction [Intellectual Property]

『はじめに』

 ソニー株式会社から発表された2足歩行(二足歩行)するヒト型(人間形/人間形/人型)ロボットQRIO(キュリオ)は,ソニー株式会社と山口仁一博士の共有である知的財産を用いた成果物であること,みなさん,ご存じでしたか?

 山口仁一博士は,1990年3月から1999年3月まで,早稲田大学理工学部機械工学科 加藤一郎研究室・高西淳夫研究室,早稲田大学理工学総合研究センターテクノロジー系研究部門ヒューマノイドリーサーチラボ(現在の早稲田大学ヒューマノイド研究所)で,2足歩行(二足歩行)ロボットならびにヒトのように2足歩行(二足歩行)をするヒト型(人間形/人間型/人型)ロボットの研究・開発・指導に携わっていました. 

 そして,共に早稲田大学理工学部電気工学科出身である,ソニー株式会社の創業者の一人である井深大さんと元早稲田大学理工学部機械工学科の教授であった加藤一郎先生とのご交流が縁となって,加藤一郎先生没後,QRIO(キュリオ)を開発した“ソニー株式会社の2足歩行(二足歩行)をするヒト型(人間形/人間型/人型)ロボットの商品化プロジェクト” Sony Dream Robot(SDR) Project の研究開発指導を,Project 発足直後である1997年5月から終了直前の2004年3月まで行いました.

 具体的には,早稲田大学の教員であった1997年5月から1999年3月まではボランティアの技術アドバイザーとしてSony Dream Robot(SDR) Project に参画,早稲田大学を退職し,1999年4月に,発明及び技術コンサルタントを主業務とする事業所である多摩総合研究所を起業後は,ソニー株式会社と契約を締結,知的財産を共有し,技術顧問として,同プロジェクトの研究開発指導・共同開発を行いました.

 言わば山口仁一博士は,QRIOの生みの親でも,父親方と言えるのかもしれません.

 山口仁一博士の保有する技術は,2つの大学の流れを汲んでいます.

 一つは,日本で最初の制御工学関連の学科である東京工業大学制御工学科での伊沢計介博士(故人)と山口仁雄博士(山口仁一博士の父親,慶応義塾大学工学部計測工学科卒,東京工業大学大学院博士課程修,工学博士,計測自動制御学会昭和40年度学術論文賞受賞)による機械系非線形制御研究の流れです.

 もう一つは,日本のロボットの父として著名であった早稲田大学理工学部加藤一郎教授(故人)らによる生物制御研究の流れです.伊沢計介博士や山口仁雄博士は,早稲田大学理工学部制御系研究室の黎明記には,同大学の教員や学生への指導も行っていました.

 山口仁一博士の保有する技術は,上記の2つの流れが合流し,融合・発展した技術郡を基盤としています。

 現在,山口仁一博士が代表を務めるヤマグチロボット研究所では,以下の事業を中心に業務を行っています.

1)ロボット,計測制御 技術に関する一般技術相談
2)特許調査・学会等での先行技術・技術源流調査
3)2)の調査結果に基づく,R&D戦略・研究開発方針の立案
4)2)の調査結果に基づく,研究開発・知的財産権取得指導,受託研究
5)人間と似た形状や機能を持つロボットの全体もしくは一部分の開発や既にある商品のロボット化による高性能・高機能化に関する専門技術・知的財産権取得 アドバイス・コンサルタント,受託研究

 契約締結には,ご依頼者のご意向を最大限尊重する姿勢で将来のお互いの幸福のために柔軟かつ妥当性のある対応に努めています.

重要事項:早稲田大学理工学部機械工学科加藤一郎研究室出身(KOB)で,現在,同大学の教授であり,山口仁一博士の指導教員でもあった高西淳夫(Atsuo Takanishi)先生も,SDR Project に,同 Project 発足時から1999年3月まで,言わば従来技術の勉強期間に,筆者の半分ぐらいの頻度で同 Project に訪れています.しかし,山口仁一博士が同 Project の専任の技術顧問・共同開発者に着任して新技術の研究・開発の段階に入ってからは,山口仁一博士と高西教授が同席することはありませんでした. また,高西淳夫教授とソニー株式会社が共同で特許出願した事実も確認できません.

本blog内容の転載は,お止め頂きますようお願い申し上げます.


 

 

 

【ヤマグチロボット研究所 設立の経緯】

 2足歩行(二足歩行)するヒト型(人間形/人間型/人型)ロボットを商品化することを目指していたソニー株式会社は, SDR Project を,2004年5月に解散させました.(ソニー株式会社の当時の会長兼グループCEOであった出井伸之さんは,QRIOの共同開発者兼知的財産権共有者であり同Projectの研究開発指導者であった山口仁一博士に,何らの事前説明等も行わずにこの解散を決定しましたが,契約において問題がある決定ではありません.山口仁一博士は,SDR Project 解散の理由を,QRIOに実装を進めていたソニー独自の人工知能技術が,QRIOの商品化仕様を満たせる目処が立たなかったためと考えています.)

 このような状況の変化により,

 山口仁一博士は,東京工業大学制御工学科 伊沢計介博士・山口仁雄博士による非線形制御技術を継承するとともに,早稲田大学における人間形ロボット研究開発経験,ソニー株式会社から発表された2足歩行(二足歩行)するヒト型(人間形/人間型/人型)ロボットQRIO(キュリオ)の開発により,山口仁一博士とソニー㈱が共同で保有することになった知的財産(ロボット設計特許技術や運動制御特許技術,著作物など)並びにそれらを更に発展させた技術によって,グローバルな視点で様々な業界にイノベーションやインプルーブを促すことを理念とするヤマグチロボット研究所を,多摩総合研究所の屋号を変更して2004年9月に再起業しました.そして,ソニー株式会社との書面での確認を経て,同事業所は2005年1月に業務を開始,既に6年が経過しています.


【ソニーのロボットビジネスへの姿勢】

・1997年5月:ソニー(会長兼グループCEO出井伸之,早稲田大学出身)は,SDR Projectへの技術アドバイスを山口仁一博士に依頼.

・1999年4月:ソニー(会長兼グループCEO出井伸之)は,業務で生じた知的財産権をソニー株式会社と山口仁一博士の共有とする条件で,SDR Projectへの技術指導・共同開発を山口仁一博士に依頼.

・2004年5月31日:ソニー(会長兼グループCEO出井伸之,早稲田大学出身)は,ソニー株式会社 SDR Project を解散させる.

・2005年9月22日:ソニー(会長兼CEO:Howard Stringer,社長兼エレクトロニクスCEO:中鉢良治)は,経営方針説明会において,記者の質問に対して「ロボット」についてはR&Dの領域では縮小を考えていると答える.

2006年1月26日:ソニー(会長兼CEO:Howard Stringer,社長兼エレクトロニクスCEO:中鉢良治)は第3四半期業績説明会において,QRIOに関する新規の開発は中止すると発表する.

・2006年3月31日:ソニー(会長兼CEO:Howard Stringer,社長兼エレクトロニクスCEO:中鉢良治)はソニーのロボットビジネスを統括していたソニー株式会社エンタテインメントロボット(ER)カンパニーを解散・廃止する.

 これにより,山口仁一博士とソニー株式会社が共有名義・共有権利持分で保有するQRIO開発で生じた次世代運動制御特許技術に係わる技術面での窓口は,山口仁一博士が代表を務めるヤマグチロボット研究所が中心的な役割を担っていくことになる.

・2006年5月30日:ソニー(会長兼CEO:Howard Stringer,社長兼エレクトロニクスCEO:中鉢良治)は,山口仁一博士とソニー株式会社が共同保有しているQRIOに係わる知的財産の今後の取扱に関する協議を始める.

・2006年5月31日:山口仁一博士とのソニー側契約担当役員であった土井利忠さんが,ソニーを退職.

・2006年6月9日:ソニー(会長兼CEO:Howard Stringer,社長兼エレクトロニクスCEO:中鉢良治)はソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所株式会社の2006年7月20日をもっての活動終了を発表する.

・2006年7月20日:ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所株式会社の活動が終了し,同社は解散.

・2006年7月21日:山口仁一博士とのソニー側契約担当役員であった土井利忠さんの生前葬が執り行われる.

・2007年4月26日: SCEI及びソニー株式会社は,現SCEI代表取締役会長兼グループCEOであり,SDR Project 解散時ソニー株式会社副社長であった久夛良木健氏が,2007年6月19日付で取締役を退任する人事を発表.

・2007年6月19日: 久夛良木健氏が,(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役 会長兼グループCEOを退任.

・2007年6月21日: 久夛良木健氏が,ソニー(株)グループ・エグゼクティブを退任.

・2007年6月21日: 出井伸之氏が,ソニー(株)最高顧問を退任.  

・2008年6月20日: 伊賀章氏,所眞理雄氏が,ソニー㈱業務執行役員SVPを退任

ソニーの決断―キーパーソンが語るモノづくりと戦略

ソニーの決断―キーパーソンが語るモノづくりと戦略

  • 作者: ソニーヒューマンキャピタル, 高野 光一
  • 出版社/メーカー: 日経事業出版センター
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 単行本

pp.39 

ロボット・オペラ

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  • 作者: 瀬名 秀明
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/06/19
  • メディア: 単行本

 pp.690

日本発 ロボット・テクノロジーが世界を変える

日本発 ロボット・テクノロジーが世界を変える

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 単行本

pp.47


 ところで,ソニー株式会社は,山口仁一博士と共有名義・共有権利持分で保有している特許の権利形成・管理・運用等に係わる業務について,山口仁一博士との協力関係を今後も継続したい意向を表明するとともに,その活用においても,山口仁一博士の自己権利行使はもちろんのこと,第三者に対する実施権設定(ライセンス)においても山口仁一博士の意向を基本的には妨げない姿勢を表明しました.

 そこで,山口仁一博士は,ソニー株式会社と共同で保有する知的財産に係わる業務については,従来同様,ソニー株式会社と協同で進めていくことにし,現在も協同で業務を行っています.

 しかしながら,筆者は,ソニー株式会社並びにソニーグループの技術者・デザイナーへのロボット研究開発指導を再び行う予定はありません.これは,一部のソニー株式会社並びにソニー株式会社の子会社の技術者・デザイナー(2008年12月時点で,該当者のほとんどが既に退職済)が, 筆者とソニー株式会社が締結した契約条項を守らなかったためです.

  Spilt water dosen't return to the tray.  【09.12.14改訂】

本blog内容の転載は,お止め頂きますようお願い申し上げます.

※一般の方もお楽しみ頂けるように,状況の変化に応じて,随時,加筆・修正・削除等を致しております.また,筆者の身体安全上の配慮をしております.山口仁一 キチガイ


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